コンビニおにぎり最前線 「冷凍」でコストダウン拡大 各社の“生命線”「死守」なるか 真の開発力試される戦国時代突入
…は冷凍のおにぎりもあります」 およそ2年前から、大手コンビニで初めて冷凍おにぎりを実験的に販売してきたローソン。来年度中に全店での展開を目指すと、きょう発表しました。
(出典:TBS NEWS DIG Powered by JNN)


コンビニの冷凍食品売り場に並ぶ商品群に、新たな波が押し寄せています。その波とは、冷凍おにぎりの登場です。約2年前からローソンが試験的に販売を開始した冷凍おにぎりは、年度中に全国展開を目指しているというニュースが流れました。この新しい商品に対し、多くの消費者が抱く印象は、「冷凍ですか?」という疑念ですが、見逃せない利点があるのです。

冷凍おにぎりは、常温で販売されるおにぎりよりも約2割安く製造することが可能です。例えば、「ごま酒おにぎり」は常温だと167円ですが、冷凍にすることで140円までコストダウンが実現しています。昨今、おにぎりの平均単価が急激に上昇しており、特に直近では1個185円に達しています。この背景には、米の価格上昇だけでなく、包装資材であるパリッとしたのりの供給不足も影響しています。

コンビニ各社は、これらの値上がりに対応するために、コストダウンと品質維持の両立を目指しています。そこで、冷凍おにぎりは一つの解決策として注目されているのです。1年間の消費期限を持つ冷凍おにぎりは、保存食としての価値も高く、計画的な生産と在庫管理が可能となるため、経済的な理由からも店舗側での採用が進んでいます。

一方で、消費者の間では「そもそもなぜ冷凍にするのか?」という疑問もあります。ローソンは冷凍技術を駆使し、より風味豊かなおにぎりを提供できると自負しています。さらに、冷凍おにぎりの導入により、コンビニエンスストアの来店同期であったおにぎりの価格競争力が保たれることが期待されています。おにぎりが手頃な価格で購入できるようになれば、コンビニエンスストアの集客力も持続するでしょう。

象徴とも言えるおにぎりを守るために、コンビニ各社の真の商品の開発力が問われています。冷凍おにぎりは、価格、品質ともに優れた選択肢として、今後のコンビニエンスストアの未来を担う可能性を秘めています。消費者にとっても、家庭での保存食や非常食として、また新しい食体験としても魅力的です。冷凍おにぎりがもたらす革新の風が、どのように私たちのコンビニ利用を変えていくのか、今後の展開に期待が高まります。